五月人形の兜鎧飾り パーツの組み立て方としまい方
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春の訪れとともに、端午の節句が近づいてくると──
「兜の飾り方、去年どうだったっけ…?」
「鎧のパーツ、これで合ってる?」
そんな声が、ご家庭のあちこちから聞こえてきます。
五月人形の兜飾りや鎧飾りは、
お子さまの健やかな成長を願って飾る特別なもの。
でも、一年に一度しか出さないものだからこそ、
「正しく飾れるか不安」
「しまい方がわからない」と感じるのも当然です。
このページでは、
五月人形の兜飾り・鎧飾りの具体的な飾り方・しまい方を、
図解と写真を交えて丁寧にご紹介。
パーツの名称や向き、飾る順番、片付けの注意点、
防虫や収納のコツまでを、
初節句のご家族にもわかりやすくまとめています。
「これで大丈夫!」と安心して飾れますように。
そして、お子さまの笑顔とご家族の大切な思い出が、
毎年積み重なっていきますように──
そんな願いを込めて、お届けします。
---- 目次 ----
以下をクリックするとジャンプします
1、図解で解る!三段飾りの兜鎧セット
部品名称と正しい飾り方
三段飾りの五月人形には、
兜・鎧・弓太刀・屏風・台座など、たくさんのパーツがあります。
それぞれの部品の位置や飾り順は、
以下の図を参考にしてください。
「どれがどこに?」
「左右の位置は合ってる?」と迷いがちな方も、
この図解で飾り付けの流れが一目でわかります。
大切なのは、「正しい形」で飾ることで願いが伝わるということ。
お子さまの健やかな成長を願いながら、
ひとつひとつ丁寧に飾ってみましょう。
2、図解で解る!コンパクト五月人形の
兜飾りの飾り方
現代の住まいにぴったりなコンパクトタイプの五月人形。
限られたスペースでも、
飾り方次第で立派に見せることができます。
こちらの図解では、兜飾りとの配置バランスや、
屏風や台座の向き・小物の置き方をわかりやすくご紹介します。
「このサイズでも大丈夫かな?」
「省スペースだからこそ美しく飾りたい」
そんな方に向けて、シンプルで映える飾り方のコツをまとめました。
小さくても、願いは大きく。
お子さまの成長を見守る気持ちを込めて、
飾り付けの時間を楽しんでくださいね。
3、兜飾りのパーツ名称と組み立て手順
櫃・芯木・鍬形・袱紗など6部品解説
五月人形の兜飾りは、たった6つのパーツで構成されています。
でも、毎年飾るたびに「これで合ってたっけ…?」と
不安になってしまうもの。
このセクションでは、
パーツ名・設置順・正しい向き・注意点を
図解に沿ってわかりやすくご紹介します。
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【1】基本の6パーツ構成を覚えましょう
兜飾りは以下の5つの部品から成り立っています。
- ①櫃(ひつ)… 木製の収納兼土台(本体+蓋で2パーツ)
- ②芯木(しんぎ)… 兜を支える軸
- ③袱紗(ふくさ)… 芯木を覆う布
- ④兜本体
- ⑤鍬形(くわがた)… 兜の角のような装飾
まずは全ての部品が揃っているか確認しましょう。
それだけで「これで合ってる」という安心感が生まれます。
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【2】櫃(ひつ)の向きに注意しましょう
兜の土台となる櫃(ひつ)は、前後の向きがあります。
一般的には金具が付いている側が前です。
蓋と本体それぞれに金具が付いているので、
両方の向きが合っているかを確認してください。
金具のないタイプもありますが、
その場合は画像を参考に配置してください。
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【3】芯木(しんぎ)は向きに気をつけて設置
芯木は兜を支える「背骨」のような存在。
形状によっては前後の向きがあります。
中段から横棒が出ているタイプは、
出っ張りが前になるように設置します。
これは兜が前に倒れないよう支えるための工夫です。
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【4】芯木の上に袱紗(ふくさ)をかけましょう
芯木の上から袱紗(ふくさ)をふわっとかけて、
芯木を隠します。
布を整えることで、
全体の印象が凛として美しくなります。
飾りの中で「見えないけれど大事」な役割を果たすパーツです。
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【5】兜を芯木の上に丁寧にのせる
芯木と袱紗の上に、兜本体をまっすぐ置きます。
正面を意識して、装飾が前にくるように飾りましょう。
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【6】鍬形(くわがた)の正しい差し方
兜の角のような装飾鍬形(くわがた)は、
左右の差し込み向きに注意が必要です。
基本はローマ字の「Uの字」になるように取り付けるのが正解。
また、鍬形には表裏があります。
彫金や模様が入っている方が「表」、
作家名が刻まれている方が裏になります。
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【よくある失敗と注意点】
- ・櫃の前後を逆にしてしまう
- ・芯木の出っ張りの方向を間違える
- ・鍬形の左右と裏表が逆になる
ちょっとした違いですが、
仕上がりの印象が大きく変わります。
画像を見ながら、ゆっくり確認して進めてくださいね。
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【最後に】
兜飾りの飾り方には、「こうしなきゃいけない」ではなく、
「願いを込めて飾る」ことが何より大切です。
お子さまの笑顔を思い浮かべながら、
ひとつひとつの手順を楽しんでみてください。
4、鎧飾りの部品構成と正しい飾り順
前垂れ・面頬・芯木など9パーツ紹介
五月人形の鎧飾りは、
見事にコンパクトに収納されているため、
飾る際にはどこから何を出してどう飾るか迷う方がとても多いです。
ここでは10個の基本パーツを、
順を追ってわかりやすく解説します。
画像とあわせて、手順通りに進めていただければ、
初めてでもきれいに飾ることができます。
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【1】基本の10パーツ一覧
- ①櫃(ひつ)…木製の箱(身・蓋で2パーツ)
- ②毛靴(けぐつ)…足元に置く装飾靴
- ③脛(すね)当て
- ④前垂れ…太もも前部の装飾
- ⑤芯木(しんぎ)…本体を支える木製フレーム
- ⑥胴体(鎧本体)
- ⑦面頬(めんぽお)…あごの防具
- ⑧兜
- ⑨鍬形(くわがた)…兜の角状パーツ
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【2】飾り台・屏風を先に配置
まずは背景となる屏風と、飾り台を
先にセッティングしておきましょう。
鎧を置く位置のバランスが取りやすくなります。
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【3】櫃(ひつ)と前垂れの設置
次に櫃(ひつ)を配置します。
前後の向きに注意し、
金具のある面が前になるようにしてください。
続いて前垂れを設置。
櫃の蓋を閉める際に左右の紐を挟み込むように
固定するのがポイントです。
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【4】芯木と胴体を組み合わせる
芯木の横棒(出っ張り)部分が前方になるように確認し、
鎧の胴体に芯木を通してから、櫃の中央に設置します。
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【5】面頬(めんぽお)の取り付け
面頬には両サイドに紐がついており、
芯木の上部の切り欠きに掛けて固定します。
高さは紐の調整で微調整が可能です。
芯木の出っ張りが鼻を押し出すように、自然な角度が出ます。
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【6】兜と鍬形の設置
兜本体を面頬の上に設置し、鍬形を差し込みます。
左右を間違えないよう
「Uの字」になるように差し込みましょう。
彫金がある面が表、作家名などが彫られている方が
裏と判断するのが一般的です。
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【7】毛靴(けぐつ)を並べて完成!
最後に毛靴(けぐつ)を足元に配置したら、完成です!
場所を左右対称に調整して、
全体のバランスを整えましょう。
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【注意点まとめ】
- ・櫃の前後を間違えない(蓋と本体両方)
- ・芯木の向きと前方の出っ張りに注意
- ・面頬はしっかり芯木に引っ掛ける
- ・鍬形の左右・表裏は間違えやすいので慎重に
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【最後に】
鎧飾りは部品数も多く少し複雑ですが、
飾る工程そのものが“思い出”になります。
「これが君の鎧だよ」と語りかけながら、
一緒に飾る時間こそが親子の宝物です。
慣れてくると、毎年「今年もこの季節だね」と
笑顔で飾れるようになりますよ。
5、鍬形の差し方と芯木の前後向き
五月人形で間違えやすい2つの注意点
兜飾りや鎧飾りをいざ飾ろうとしたとき、
「えっ…これって左右どっち?」
「前後の向きが逆かも?」と
迷ってしまう方がとても多いポイントがあります。
それが、鍬形(くわがた)の差し方と、
芯木(しんぎ)の前後の向き。
どちらも、ちょっとした違いですが、
見た目の印象や安定感に大きく影響します。
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【1】鍬形(くわがた)の正しい左右と裏表の見分け方
兜の「角(つの)」にあたる鍬形は、
左右の差し込み方向と表裏の向きがとても大切です。
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左右の正解:
ローマ字の「Uの字」になるように、内側へ向けて差し込む
-
表裏の見分け方:
- 彫金や装飾がある面 → 表
- 作家名が彫られている面 → 裏
- 彫金や装飾がある面 → 表
最近は装飾が控えめな鍬形もあり、
裏表がわかりにくいこともあります。
その場合は「模様がある方を前にする」と覚えておくと安心です。
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【2】芯木(しんぎ)の前後|出っ張りのある面が前
芯木は兜や鎧を支える重要な部品。
タイプによっては、
中段に横棒のような出っ張りが付いているものがあります。
この出っ張りが前(お顔側)にくるように設置します。
前傾になりやすい飾りをしっかり支える構造のため、
飾りの安定感が変わります。
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【こんな間違いが多いです】
- ・鍬形の左右を逆につけてしまい、見た目に違和感が…
- ・芯木の向きが逆で、飾った兜が前のめりに倒れてしまう
- ・鍬形の裏表が逆で、作家名が前に出てしまっている
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【まとめ】
この2つの注意点は、ほんの小さな違いですが、
「ちゃんと飾ってあげたい」
気持ちが届くかどうかに関わる大切な部分です。
せっかくの兜や鎧。
お子さまの成長を願って、
美しく、心を込めて飾ってあげたいですね。
迷ったときは、もう一度このページに戻ってきてください。
あなたの「ちゃんとしたい」気持ちを、
私たちも応援しています。
6、兜・鎧飾りの飾り付け順まとめ
初節句でも安心の配置チェックリスト
いざ飾ろう!と思っても、
「どこから?」「何から?」と
迷ってしまうのが五月人形のあるある。
とくに初節句を迎えるご家庭では、
最初の一歩に戸惑う方がとても多いです。
このセクションでは、兜飾り・鎧飾りを飾る順番を、
簡潔にまとめたチェックリスト形式でご紹介します。
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🎏 兜飾り|飾り付け手順(6項目)
- ①櫃(ひつ)本体と蓋を確認し、金具を前にして設置
- ②芯木(しんぎ)を正しい向きで差し込む(出っ張りが前)
- ③芯木の上に袱紗(ふくさ)をふわりとかける
- ④兜本体を芯木+袱紗の上にバランスよく設置
- ⑤鍬形(くわがた)を「Uの字」になるように左右差し込み
- ⑥全体の角度や中心を確認して微調整
✔ 完了!これで兜飾りは凛とした佇まいに仕上がります。
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🛡 鎧飾り|飾り付け手順(9項目)
- ①飾り台・屏風をあらかじめセット
- ②櫃(ひつ)を金具が前になるように設置
- ③前垂れを蓋に挟み込む形で取り付け
- ④芯木(しんぎ)を胴体に通し、櫃中央に設置
- ⑤面頬(めんぽお)を芯木上部に掛けて調整
- ⑥兜を面頬の上にセット
- ⑦鍬形を「Uの字」になるよう左右に取り付け
- ⑧脛当て・毛靴などの小道具を足元に並べる
- ⑨全体の配置バランスを整える
✔ 完了!これで鎧飾りの堂々たる姿が完成します。
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💡ちょっとした工夫で、飾りがもっと引き立つ
- ・明るい日差しが入る時間帯に飾ると、気持ちも晴れやかに
- ・お子さまと一緒に「ここに飾る?」と相談しても◎
- ・写真を撮って記録を残しておくと、次回の参考にもなります
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🎁「飾る」という行為が、もう“思い出づくり”
五月人形は飾ること自体が、お子さまへの祈り。
「大きくなったね」
「今年も元気にすごせますように」
そんな言葉をかけながら、一緒に飾る時間も宝物になります。
初めてでも大丈夫。
この順番通りに進めていけば、
きちんと・美しく・心を込めて飾れますよ。
7、兜飾りのしまい方・片付け手順
掃除・分解・収納・防虫対策も網羅
端午の節句が終わると、「そろそろ片付けなくちゃ」と思いながら、
「どうやってしまうんだっけ…?」と
悩む方も少なくありません。
このセクションでは、兜飾りの正しいしまい方を、
画像に沿って順番に解説していきます。
次に開けるときも、気持ちよく飾れるように、
大切なポイントを押さえていきましょう。
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【1】まずは“きれいにお掃除”してから
兜飾りをしまう前に、
ホコリや汚れを丁寧に落とすことが基本です。
やわらかい布やハケなどでやさしく払い、
油分が気になる部分はアルコール除菌シートなどで
軽く拭き取りましょう。
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【2】しまう日は晴れた日を選んで
箱にしまう日は、
湿気の少ない晴れた日を選ぶのが理想的です。
湿気を残したまま収納すると、
カビや金具のサビの原因となります。
収納後は、直射日光の当たらない
風通しの良い場所に保管しましょう。
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【3】パーツごとに分解して収納していきます
● 鍬形(くわがた)を外す
差し込んである鍬形(くわがた)をそっと抜き取り、
付属の袋に入れて保管します。
金属パーツなので、ぶつかりやすい他の部品と分けておくと安心です。
● 袱紗(ふくさ)をたたむ
芯木にかけていた袱紗も、ホコリを払ってから、
丁寧に折りたたみ、布袋や付属の封に入れて収納します。
● 兜本体は風呂敷で包む
兜本体も、表面の汚れを優しく取り除いた後、
元の風呂敷に包んで櫃(ひつ)に収納します。
包む際は装飾部分に力がかからないように注意しましょう。
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【4】全てのパーツを櫃(ひつ)の中に収納
櫃の中に、鍬形・袱紗・兜本体を順番に収めていきます。
ぐらつきやすい部分には、
緩衝材ややわらかい布を添えると安心です。
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【5】防虫剤を忘れずに
収納が終わったら、
櫃の中に防虫剤を2〜3個入れておきましょう。
おすすめは樟脳(しょうのう)タイプなど、
天然由来のものです。
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🎏「来年もまた、きれいに飾れるように」
兜飾りは毎年お子さまの成長を見守る宝物。
しまう作業も、ただの片付けではなく、
“次の節句への準備”です。
ていねいにしまってあげることで、また来年も、
笑顔とともに飾る時間が楽しみになりますように。
8、鎧飾りの片付けと収納術
風呂敷での包み方・小道具の整理術
鎧飾りはパーツが多いため、
しまうときに
「どこから?」
「何をどう包むの?」と迷いやすいもの。
このセクションでは、
画像に沿って順を追いながら、丁寧に収納する方法をご紹介します。
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【1】飾りは“最後に付けた順”から外す
取り外しの基本は「逆順」です。
鍬形 → 兜 → 面頬 → 胴体…というように、
一つひとつ順番に丁寧に取り外していきましょう。
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【2】芯木を外し、鎧胴体を風呂敷で包む
芯木は最初に外すべきパーツ。
その後、鎧の胴体を優しく取り上げて、
風呂敷で包み、櫃(ひつ)の中に収めます。
※サイズによっては、
芯木を外さずにそのまま収納するタイプもあります
(例:7号サイズ)。
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【3】前垂れはビニール袋へ
太もも部分にあった前垂れは、汚れを軽く払い、
折りたたんでビニール袋に入れて櫃の中へしまいましょう。
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【4】防虫剤を2〜3個、忘れずに
収納の際には櫃の中に防虫剤(樟脳)を
2〜3個入れておくと安心です。
衣類用ではなく、五月人形専用タイプを使うのがおすすめ。
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【5】小道具は小箱にまとめて
毛靴(けぐつ)・脛当て・面頬(めんぽお)などの小さなパーツは、
まとめて小さなダンボールや化粧箱に入れます。
こちらにも防虫剤を1つ入れておきましょう。
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【6】小箱は櫃の底スペースへ
パーツをまとめた小箱は、櫃の足元の空いたスペースに収めます。
中で動かないよう、緩衝材などで軽く固定すると安心です。
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🎏「しまうこと」も、想いを込めた時間に
鎧飾りを丁寧にしまう作業は、
来年またきれいに迎えるための準備です。
「今年もありがとう」
「また来年も一緒に飾ろうね」
そんな気持ちを込めながら、
パーツひとつひとつを大切に包んでいきましょう。
9、五月人形(兜・鎧)を美しく長持ちさせる保管方法
収納後の注意点とおすすめ防虫剤の選び方
五月人形を長く美しく保つためには、
「しまった後の保管環境」がとても重要です。
収納が終わったら、
直射日光の当たらない、風通しのよい場所に置いてください。
湿気の多い押し入れや、
冷暖房の風が直接当たる場所は避けましょう。
また、防虫対策も欠かせません。
おすすめは天然素材の樟脳(しょうのう)や、
五月人形専用の無臭防虫剤。
市販の衣類用では成分が強すぎる場合があるので注意が必要です。
大切なのは「一年後、また笑顔で飾れるように」
やさしく守ってあげること。
お子さまの成長を見守る五月人形に、
しっかりとした居場所を用意してあげましょう。