五月人形の飾り方 設置や飾る手順方法、順番 兜飾り 鎧飾り
Share
「今年こそ、ちゃんと五月人形を飾ってあげたい」
そんな気持ちで、
このページに辿りついたあなたは、きっと優しいお父さん・お母さん。
でも、いざ飾ろうとすると…
・「鍬形ってどっち向き?」
・「弓と太刀の左右は?」
・「あれ、この部品なんだっけ?」
毎年なんとなく飾っていたけれど、
実はよく分からないことばかり——。
飾るその時間も、息子さんとの大切な思い出に。
そして、あなたの“してあげたい”気持ちが、
未来の心にちゃんと届くように——。
— 目次 —
以下のリンクをクリックすると各セクションにジャンプします
-
1、五月人形とは? 「端午の節句飾り」
子どもを守る願いと日本の美意識の意味
-
2、五月人形はいつからいつまで飾る?
健やかな成長を願う期間、飾る時期に込められた祈りとは
-
3、五月人形の飾り方と種類|平飾り・三段飾りの選び方
家庭環境やライフスタイルに合った飾り方と伝統の違い
-
3、五月人形の飾り方と種類|平飾り・三段飾りの選び方
-
2、五月人形はいつからいつまで飾る?
五月人形とは?
五月人形は、子どもの健やかな成長を願う
「親の祈り」をかたちにした飾りです。
端午の節句に男の子のために兜や鎧を飾る習慣は、
厄除けや強さの象徴として古くから続く日本の伝統文化です。
中でも兜飾りは「病気や事故から守ってあげたい」
という気持ちが込められており、
飾ること自体が“愛情を伝える時間”でもあります。
「毎年ちゃんと飾ってあげたい」
「今年は意味を知ったうえで、丁寧に飾りたい」
そんな親心を受け止めるように、
五月人形は凛とした姿で部屋に佇みます。
飾るたびに、“この子のために”と思える。
それこそが、五月人形の持ついちばんの魅力かもしれません。
五月人形はいつからいつまで飾る?
五月人形を飾るタイミングに決まりはありませんが、
目安としては
「春のお彼岸明け」〜「5月5日の端午の節句」前日までが
一般的です。
早めに飾ることで、心にゆとりが生まれ、
家族で季節を感じながら過ごす時間も豊かになります。
片付けのタイミングは、5月5日を過ぎた晴れた日が理想です。
湿気を避け、風通しの良い日に
感謝の気持ちを込めておしまいしましょう。
地域によっては旧暦(6月上旬ごろ)まで飾る風習もあります。
形式にとらわれず、
「今年もありがとう」と笑顔で終われる節句にすることが
何より大切です。
五月人形の飾り方と種類|
平飾り・三段飾りの選び方
五月人形の飾り方には、
「平飾り」と「三段飾り」の2つが主流です。
平飾りはシンプルでコンパクト、
現代の住宅や洋室にも調和しやすく、
人気のスタイルとなっております。
三段飾りは重厚感と豪華さがあり、
伝統的な飾り方を楽しみたい方におすすめです。
どちらを選ぶにしても大切なのは、
“誰とどうやって飾るか”という家族の時間と考えます。
「この兜、カッコいいね」
「去年より大きくなったね」
そんな何気ない会話も、
飾る時間を思い出にしてくれます。
形だけじゃない、
想いを重ねていく・・・。
思い出作りのストーリーを積み上げていく・・・。
それが本当の五月人形の楽しみ方です。
五月人形の基本配置と並べ方の手順
「台座の上に兜を置いて…その次は何だったかな?」
毎年飾っていても、
意外と迷ってしまうのが基本の並べ方です。
基本は、
緑の毛氈(もうせん)
↓
台座
↓
屏風
↓
兜や鎧本体
↓
弓・太刀の小道具
の順となります。
バランスよく、左右対称に配置することで
美しく整った印象になります。
また、主役となる兜は中央にしっかりと、
存在感を引き立ててあげましょう。
「これで合ってるかな?」と不安になる時こそ、
お子さんと一緒に飾るチャンスでもあります。
失敗も笑顔に変わる、そんな飾り時間がきっと宝物になります。
五月人形の鍬形(くわがた)の向き右左と表裏
兜の左右に付いている“ツノ”のような部分、
それが「鍬形(くわがた)」です。
飾るときに、
どっちが右?どっちが表?と
悩んだことはありませんか?
基本の向きは、
正面から見たときに
“U字型”になるように内側にカーブしている状態が正しいです。
さらに、表面は彫金や模様がしっかり見えるように配置します。
作者の作家名が、刻印されている場合は裏面となります。
間違いやすいポイントこそ、
丁寧に整えてあげると
五月人形がグッと凛々しく、誇り高く見えてきます。
「なるほど、そういう意味があるんだ」と知った瞬間、
飾る時間がもっと大切に思えてくるはずです。
五月人形の弓と太刀、どっちが右?
弓太刀の左右、これが意外と混乱ポイントです。
正解は、
「向かって右側に太刀」「向かって左側に弓」を飾るのが
基本的な配置ルールです。
この並びには、“戦いを司る武具の格式”という
歴史的背景があります。
左右のバランスを整えるだけでなく、
端午の節句の武士文化へのリスペクトが込められているのです。
飾り方に迷ったときは、
兜を中心に左右の構成を「対」として意識してみてください。
何気ない配置にも、深い意味と物語がある。
それを知ることで、
飾る時間が“学びと誇り”に変わっていきます。
五月人形の太刀の鞘は上?下?
太刀を飾るとき、鞘(さや)の
上下はどうすればいいの?
意外と悩まれるこのポイント
実は、
「刀を持つ鞘(さや)が下。刃を上に向ける」のが正しいとされています。
これは、“敵意がないことを表す礼儀”という
武士の精神に由来するものです。
また、戰さの決戦中は、いざ出陣ということで
「刀を持つ鞘(さや)が上。刃を下に向ける」
置き方をしていた。という説があります。
戰さがひと段落し
平穏・平和の時の刀の置き方と言う考え方もあるそうです。
飾り方ひとつにも、
相手を敬う心や平和を願う文化が込められているのです。
知れば知るほど、
ただの装飾品ではなく、
日本の美意識や文化が詰まった飾りなのだと感じられます。
正しく飾ってあげることで、
兜飾り全体がより引き締まり、凛とした佇まいになります。
五月人形における屏風の役割と配置
「背景の屏風って、どう置けばいいの?」
五月人形の飾りに欠かせない屏風には、
格式と場の格を高める意味があります。
正しい飾り方は、
本体の後ろに左右対称に立て、
少し角度をつけ手広げるのがコツです。
光が反射して兜や鎧が美しく映えるうえ、
空間に奥行きが生まれます。
現代のモダンなリビングにも調和するデザインも多く、
和洋折衷の楽しみ方も広がっています。
「背景が整うだけで、こんなにも印象が変わるのか」と
感じる瞬間となります。
それが、屏風の持つ力であり、
美を引き立てる陰の主役とも言える存在です。
五月人形に欠かせない
毛氈(もうせん)の敷き方と意味
緑色の布を敷く「毛氈(もうせん)」には、
実は深い意味があります。
これは、
大地・自然・命の源を象徴する“緑”を表現しており、
その上に兜や鎧を飾ることで、
成長と命の循環を感じさせてくれます。
敷く順番は、最初に毛氈、
その上に台座や屏風を配置する流れです。
シワが寄らないように丁寧に広げることで、
全体の印象が美しく引き締まります。
子どもと一緒に
「この緑にはどんな意味があるんだろう?」と
話しながら飾れば、
ただの布が、家族の会話を生む
“文化の土台”になるかもしれません。
五月人形の付属品・小道具の正しい飾り方|
かがり火・軍扇・陣太鼓など
「この部品、どこに飾るんだろう…?」
そんな疑問を感じやすいのが、小道具の飾り方です。
かがり火は兜や鎧の前方に、
弓と太刀の間に左右対称に配置するのが基本となります。
軍扇・陣太鼓・陣笠などは中段や下段に並べると、
より格式ある飾りになります。
これらの小物は単なる装飾ではなく、
“戦を支えた知恵や守りの象徴”でもあります。
一つひとつの意味を知ることで、
飾る時間がまるで歴史をたどる旅のように感じられるかもしれません。
お子さんと一緒に
「この道具、何のためかな?」と話すことが、
何よりの学びになります。
五月人形の三段飾り|
段ごとのパーツと飾り方の順番
三段飾りは豪華で立体感のある伝統的な飾り方ですが、
パーツが多く「どこに何を置くのか迷う…」という方も多いはず。
基本は、最上段に兜または鎧と弓太刀、かがり火など。
中段には陣笠・軍扇・馬・武者人形などを配置し、
下段には吹流し・柏餅・粽などの飾りを並べます。
一段ごとに意味があり、戦い・守り・季節の恵みを表現しているのです。
組み立てながら、
お子さんに「これはなんだと思う?」と
問いかけてみてください。
飾ることそのものが、
親子で伝統を学ぶ最高の時間になります。
コンパクトな五月人形の飾り方アイデア集
「マンションでスペースがない」
「洋室にも合うように飾りたい」
そんな声が増えている今、
“省スペースでも美しく”飾れる五月人形が注目されています。
リビングボードの上や玄関の飾り棚など、
限られた空間でも兜や鎧が映える場所はたくさんあります。
屏風や台座をコンパクトにすることで、
和室でなくても自然に馴染みますし、
インテリアに合わせて小物の色味を揃えるだけでも印象がガラッと変わります。
飾るサイズよりも大切なのは、
「子どもに見せてあげたい」気持ち。
どんな空間でも、その心がある限り、素敵な端午の節句になります。
モダンインテリアと五月人形の美しい融合
「洋室だから飾りにくい」と思っていませんか?
最近は、
リビングやダイニングにも調和する
モダンなデザインの五月人形が増えています。
木目の美しい台座、アクリルやスチールのスタンド、
グレイッシュな屏風など、
和と洋を自然に繋ぐアイテムも豊富です。
お気に入りの照明を添えれば、
我が子への想いが浮かび上がるような飾り空間が生まれます。
飾り方に正解はありません。
家族の暮らしに合った形で、思いを届ける——
それが現代の端午の節句です。
「うち流の五月人形」で、
親子の特別な物語を紡いでみませんか?
五月人形を飾った後のお手入れと保管方法
せっかく飾った五月人形、
大切に保管して長く楽しみたいです。
飾っている間は
柔らかいハケや布で、ホコリをやさしく払うのが基本です。
湿気の多い日は、窓を開けて風通しをよくしましょう。
片付ける際には、
各パーツを乾いた状態でやさしく包み、箱に丁寧に収納します。
湿気を防ぐため、
防虫剤や乾燥剤も一緒に入れておくと安心です。
「また来年も、元気に飾ろうね」
そんな気持ちを込めて片付けることが、
お子さんへの愛情と日本の文化を次につなげる第一歩になります。
息子へ届ける“飾る気持ち”をそっと支える節句のQ&A
今、伝えたい。未来に残したい。
息子へ届ける“飾る気持ち”をそっと支える節句のQ&A
五月人形は、ただの飾りじゃありません。
そこには・・・
「守ってあげたい」
「喜ぶ顔が見たい」という
ご家族の想いがたっぷり詰まっています。
このQ&Aは、
そんな“感情のそばにある疑問”に
優しく答える10のヒントです。
五月人形を飾ることで、
子どもにどんな気持ちが伝わる?
「君のことが大切だよ」
「守ってあげたいよ」——
そんな気持ちが、飾るという行為を通して自然に伝わります。
言葉でなく行動で残す“家族の愛情”です。
飾る時間を“親子の思い出”にするにはどうすれば?
「一緒に飾ろう」と声をかけて、
会話しながら箱を開けるだけで、
何気ない準備が特別な思い出になります。
子どもの笑顔を引き出す飾り方のコツは?
主役はお子さん。
「一緒に飾る?」
「兜触ってみる?」と声をかけるだけで、
ワクワクした表情が自然にこぼれます。
写真を撮るとき、思い出に残る工夫は?
毎年同じ場所・同じ構図で撮るだけで、
成長記録になります。
兜を手にした真剣な顔や、
思わずこぼれた笑顔こそ宝物です。
飾ることで、子どもにどんな“記憶”が残る?
「一緒に飾ってくれたな」という記憶が、
子どもの心にあたたかく刻まれます。
ふと思い出したとき、
親の優しさを思い出す“記憶の飾り”になります。
家族の行事として、どう残していける?
毎年飾ることを家族の“恒例行事”にすると、
「我が家らしさ」が生まれます。
大きくなっても思い出せる安心感が残ります。
祖父母に見せるとき、子どもに何をしてもらうといい?
子ども自身に「これは兜だよ」と説明させてみてください。
誇らしさと家族のつながりが、
自然と生まれます。
“親の自己満足”にならないか不安です
子どもは、親が楽しそうにしている姿をちゃんと見ています。
「一緒に飾ったね」が残るなら、
それは立派な贈り物です。
時間がないけど、やっぱり飾ってあげたい…
全部じゃなくてもOK。
「兜だけ飾ろうか」と短時間で済む飾り方でも、
子どもにとっては“大切にされた記憶”になります。
未来の息子へ、何を伝えていきたい?
「あなたのために飾ったよ」という事実と記憶は、
やがて子どもが親になったとき、
自分の子へと想いをつなぐ“心のバトン”になります。