名を「大夢」と冠するこの子供大将には、
“どんな夢もこの子らしく描いていい”という、
大人たちの想いがそっと重ねられています。
凛とした立ち姿と、どこかやさしさを湛えた表情。
その佇まいは、親としての誇りと希望をかたちにした
節句飾りの理想とも言える存在です。
纏っているのは、格式高い「白糸威褄取鎧」。
上質な白糸に赤と黒が交差する武具の織りは、
まるで心の清らかさと芯の強さを織り込んだような印象。
兜には黄金の前立てが輝き、
手には太刀を、肩には弓を携え、
まさに未来へ踏み出す“現代の子供武者”の姿が映し出されています。
幸一光によるお顔立ちは、
どこかホッとするやわらかさを感じさせながらも、
芯のあるまなざしで、まっすぐこちらを見つめます。
子どもという存在の儚さと力強さ、
その両方を知っている作家だからこそ表現できる
深みのある造形美です。
背景を飾るのは、松と波が金彩で描かれた優美な屏風。
伝統と品格を感じる構図の中に、
光の加減でほんのり揺れる陰影が、
お子さまの未来に差す光を象徴しているかのようです。
45cm台のゆとりある構成は、
ご家庭の空間に凛とした節句の時間をもたらします。
「夢を信じる力を育んでほしい」
「どんな時も、自分を信じて進んでほしい」
そんな願いを、そっとかたちにして贈る。
子供大将「大夢」は、
ただ飾るだけではない“親の気持ちの代弁者”となって、
毎年、家族の中心であたたかな節目を迎えてくれることでしょう。