義を重んじ、人としての在り方を貫いた上杉謙信。
この兜には、まさに彼の「まっすぐな心」が宿っています。
正しさを押しつけるのではなく、
“静かに、でも確かに”その志を届ける。
節句の飾りが、そんなやさしい時間の入り口になるのです。
漆黒の兜は、引き締まった気品ある佇まい。
そこに映えるのは、銀に磨かれた美しい鍬形。
目庇や吹き返しには繊細な細工が施され、
全体の凛とした印象を引き立てます。
小ぶりな4号サイズながら、
深く静かな存在感を放つ一体です。
飾り台には、月をかたどったブラウンの半月型屏風。
優しく丸みを帯びたラインと、格子模様の透かしが、
「守る」という気持ちを目に見えるかたちで表現しています。
和の要素を持ちつつ、現代のインテリアにもすっと溶け込み、
日常の中に季節の節目を自然と取り入れられます。
隣に添えられた矢飾りには、
まっすぐな願いと、「信じる力」が込められているかのよう。
飾るたびに、“正しく、やさしく育ってほしい”という
親の想いが、空間全体に広がっていくようです。
それは、毎年節句が来るのが楽しみになるという感覚に変わっていきます。
この兜は、
「大きな声で語らずとも、心で信じた道を歩めるように」
という願いをそっと支えてくれる存在。
目立たなくても、きちんと大切なことを伝えられる。
それはまるで、我が子の未来に寄り添う
親からの“静かなる応援”そのものです。